INTERVIEW


演劇に魅せられ、
演劇に生きる。
本物を多くの人に
届けるために奮闘する日々。
公演事業部
ファクトリー部
大野 圭奈子 | 2011年入社
国際教養学部
PROFILE
これまでの経歴
2011年~ 公演事業部
今の仕事
舞台作品のプロデュース
CHAPTER 01
青春時代を観劇に捧げ、
ホリプロに一直線。
チームで舞台を
成功に導く。
ホリプロへの入社を決めた
理由を教えてください。
「私はホリプロに入るんだ」っていう根拠のない自信がありました。幼い頃から私にとって演劇鑑賞はとても身近であり、楽しみでもありました。16歳のときにロンドンでオープニングしたばかりの「BILLY ELLIOT THE MUSICAL」を見たとき、頭の先からつま先まで稲妻が走ったような感覚に襲われます。これが今の私の原点。日本で大学に進学してからは、アルバイトのお給料から生活費を除いた残りすべてをチケット代に充てるほどに演劇の世界にどっぷりと浸りました。そして就職活動はホリプロ一択。実は日本の就職活動のシステムをよく分かっていないという側面もあったのですが、とにかく「海外の素晴らしい演劇を日本に持ってきたい。日本の演劇を海外に広めたい」と強く感じていたのです。
現在の仕事内容を
教えてください。
舞台制作に関わる全ての業務と言っても良いかもしれません。キャスティングにスタッフィング、契約交渉、稽古場の進行からプロモーション活動まで。舞台を成功させるためならなんでもやります。なかでも、私は海外の作品に関わることが多く、英語を駆使する契約交渉や準備業務に携わっています。とはいえ入社当時の私の英語力ではビジネスシーンではうまく対応できませんでした。「これは私が知っている英語ではない」と痛感して、ビジネス英語を必死に学び、それが糧となり今では外部とのコミュニケーションの大半が英語です。海外の企業との交渉はビジネス文化の違いや時差もあり困難を感じることも多いですが、チーム一丸となって乗り越えています。
CHAPTER 02
人生を変えた
演劇が日本に上陸。
キャスト、スタッフが
一丸となって幕を
開けた日本版ビリー。
一番印象に残る
プロジェクトを教えてください。
「ビリー・エリオット」です。私が16歳の時に大きな衝撃を受けたビリーの日本公演をホリプロが行うと聞いて、担当させて欲しいと上長に頼み込みました。毎日フル回転で働いても時間が足りなくて、生まれて初めての気絶も経験。それでも私の夢が一つ、叶った瞬間でした。

そして2020年秋、コロナが猛威を振るって、ほとんどの劇場が営業を取りやめていたときに、予定より約2カ月遅れてビリー・エリオットの再演の幕が上がります。演劇業界が絶望に包まれていたにも関わらず、ビリーによって劇場に再び灯りがともったような瞬間でした。言い過ぎかもしれませんが、それを皮切りに、様々な作品が開幕していったような気がします。私の夢だったビリーの初演を担当できただけでなく、ビリー・エリオットの再演によって日本の演劇界が希望を取り戻したのではと思うと、感慨深いですね。
どうしてビリー・エリオットは
コロナ禍で
再演できたのでしょうか?
私は第一子を妊娠したため、再演の立ち上げまでを担当していました。コロナ禍であってもビリーの再演が実現できた理由はホリプロファクトリー部の「この子どもたちで幕を開けるんだ」という強い決意にあったと思います。子役のその一瞬の輝きは特別なもの。もちろん役者としての人生は続きますが、時間が経てば大人になり、子役として舞台に上がることはできません。だからどうしてもそのメンバーで上演したかったのです。
CHAPTER 03
ビジネスとしての興行と
社会的な意味。
ホリプロとして
できることを模索する。
これからのキャリアを
どのように描いていますか?
子どもが生まれてから、まだ明確なビジョンが描けずにいます。ただ子どもを産んで第一線を走る先輩もいらっしゃる。子どもと仕事の関係に正解はないと思いますが、悩みながら前に進みたいなと考えています。今は育児と業務の両立に精一杯です。
ただ私にとって演劇はすべてといっても過言ではありません。喜びを感じるのも演劇、苦しむのも演劇、苦しみを緩和してくれるのも演劇でした。だからこれからもずっと演劇に関わっていたいと思います。そしていつか私が16才のときに「BILLY ELLIOT THE MUSICAL」を見て受けた脳天を打ち抜かれるようなあの衝撃を、皆様にお届けしたいです。
大野さんは
今後の日本の演劇界に
どのような変化を
期待していますか?
演劇もビジネスです。予算をしっかりと管理して利益を出せるようにと、準備段階では飛行機のシートやホテルの部屋のランクまで交渉します。でもビジネスとして成立させると同時に、やりがい搾取になってはならないと感じています。演劇に関わっている人はみんな演劇が好き。だからこそ報酬度外視になっている部分があるのかもしれません。大きな話ですが、こういった日本の商習慣を少しずつ変えていければと、と思います。
そして圧倒的にお金をかけて、圧倒的なクオリティの演劇を日本の皆様にお届けすることに使命があると思っています。私ひとりで成し遂げられるとは思っていません。チーム全員で日本の演劇界に新風を送り込んでいきたいですね。